父は、故郷のI県で、元気に暮らしていましたが、先日75歳で、突然亡くなりました。母は、10年以上前に亡くなっており、一人暮らしでした。相続人は、姉と妹である私の二人ですが、二人とも、結婚して東京に住んでいます。父が亡くなった後、葬儀を行い、四十九日も終わったので、財産等の整理をしていきたいと思っています。
父は、株式、債権、投資信託等を持っていたようですが、私たち姉妹は、それについては、よく知りません。どのように探したらよいでしょうか。また、株式等が見つかった場合は、どのようにすればよいのでしょうか。
株式、債権、投資信託等の金融資産の探し方の基本は、亡くなった方(この場合はお父様)のご自宅に、故人と取引のあった証券会社等の情報がないかをさがすことです。

まず、株式について、説明すると、現在は、株券が廃止され、また、株式の取引についても、ほとんどの場合、それを購入した証券会社にそのまま預けている(さらに証券保管振替機構(通称「ほふり」といいます。)に預け変えられています。)ことがほとんどです。そのため、株券等が例えば自宅の金庫に保管されているということは極めてまれです。また、株券があった場合も、上場会社の場合、上記「ほふり」との関係で、すでに、無効とされていることもありますのでご注意ください。ただ、非上場会社の場合は、その会社が存続している限り、有効なのが原則です。

そこで、故人が保管していた書類及び故人へ郵送された郵便物を探し、故人と取引のあった証券会社等の情報がないかを確認することになります。そのため、死後1年間程度は、故人宛てに来る郵便物(企業が送ってくるもの)等に注意されると良いでしょう。

証券会社で、株式の取引を行う場合は、①口座の開設案内書をもらい②約定書を作成します。また、日々の取引について、③取引の報告書及び④残高証明書が郵送またはメールで送付されてきます。そこで、これらの書類を見つければ、取引していた証券会社がわかります。

上記の書類が見つからない場合でも、上場会社の株式の場合は、当該会社から、信託銀行を通じて、⑤事業報告書、⑥配当通知書、⑦株主総会の招集通知書が郵送等されてきます。ただ、この場合は、さらに信託銀行等に問い合わせるなどして、取引のあった証券会社がどこか等を調査する必要があります。

また、預金通帳から取引先の証券会社がわかることもあります
株式の配当の記載や、証券会社あてに入出金をしている履歴を見つけることができるかもしれません。その振込名等から証券会社を特定することになります。

このため、通帳については記帳をし、過去10年程度の履歴をチェックされると良いでしょう(通帳がない分については、金融機関の窓口で、取引履歴を取得できますが、手数料を取られます)。

株式の配当がある場合、確定申告書にその旨が記載されることもあるので、故人が確定申告をされていた場合には手掛かりになるでしょう。もっとも、源泉徴収がされる特定口座に株式が保管されている場合は、確定申告書上、配当利益が0円となります。そこで、配当利益の記載がない場合も、この記事で記載した他の方法で探す必要があります。

最近は、証券会社もインターネットを通じた口座管理のサービスを提供しています。そこで、故人のパソコンのブックマーク(おきにいり等)や閲覧履歴に、証券会社のホームページがないか等確認します。ある場合は、その証券会社に、後記のように問い合わせることになります。

投資信託や、債権(国債・地方債や社債)の場合の探し方も、基本は、株の場合と同様、取引のあった証券会社、信託銀行等の情報を、同じように探すことになります。

投資信託の場合は、証券会社等と、①取引口座の開設案内書をもらい、②約定書を作成し購入します。また、運用期間中、③運用報告書、④取引残高報告書が、送付されることが通常ですので、これらの書類を探し、取引していた会社を特定することになります。

債券の場合も、証券会社・信託銀行等と①案内書をもらい、②約定書を作成し購入します。この際、別に③債券の保護預かり通帳をもらうことも多いです。また、運用期間中、④運用報告書、⑤取引残高報告書が送付されることも同様ですので、これらの書類を探すことになります。

上記株等の金融資産について、取引をしていた(あるいは取引をしていたと思われる)証券会社等がわかった場合は、その証券会社等に故人の口座、株式等の金融資産がないかを問い合わせて下さい。その際は、書類に口座が記載されている場合も、その口座のみではなく、その会社にある被相続人(この場合はお父様)の全口座について、問い合わせてください。

問い合わせる場合、まず、電話等で、それに必要な書類を聞いた上で、準備(当該会社独自の書類が必要な場合は、郵送をお願いするか、HPからダウンロードできないかお尋ねください。)の上、訪問、又は郵送で手続をすることになります。

この手続により、相続財産である株等の金融財産について、特定ができたら、他の相続財産と合わせ、相続人間で、遺産分割協議をすることになります。なお、この相続財産である株等の金融財産について、遺言書がある場合は、基本的には、協議をせずに、遺言書の指示に従うことになります。

ただ、遺言書があったり、遺産分割の協議がまとまっても、それだけでは、それらの金融財産を相続できません。証券会社等に手続をしなければなりません。この手続のための書類には、遺産分割協議書のみではなく、他の相続人の署名・捺印・印鑑証明書が必要なことも多いです。そのため、遺産分割協議書について、全相続人が署名・捺印する際に、必要な他の相続人の署名・捺印・印鑑証明書を同時にもらうことが望ましくです。そのためには、事前に、証券会社等に、被相続人から相続人に当該金融財産を相続による移転(これも、相続する相続人がその会社に口座を持っているかどうか等により複数の方法があります)をするための必要書類を聞いておき、準備した方がよいです。