相続放棄と相続欠格

死亡以外に、推定相続人(すいていそうぞくにん:もし現状のままで相続が開始した場合に、相続権があるであろうという人のこと)がいなくなる場合としては、相続放棄、相続欠格、推定相続人の廃除、相続の開始後に認知された者がいる場合があります。


相続放棄について

相続放棄が行われると、その者は、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。

例えば、子のうちの一人が相続放棄をすれば、その子は初めから相続人ではないことになります。

ただし、相続欠格、推定相続人の廃除の場合と異なり、相続放棄がなされた場合は、代襲相続及び再代襲相続は生じません。

したがって、その子の子(被相続人からすると孫)及びその子の孫(被相続人からするとひ孫)は、子が相続放棄をしても、相続人とはなりません。


相続欠格(そうぞくけっかく)

以下のどれかの行為を行った者は、その被相続人との関係で相続資格を失うことになります(民法891条)。

すなわち、相続開始前に死亡した場合と同じように、相続開始のときにもはや存在していないものとして取り扱われ、それに応じて相続人や相続分が確定されることになります。

なお、相続放棄の場合と異なり、欠格者が子供の場合は、代襲相続、再代襲相続が、欠格者が兄弟姉妹の場合は、代襲相続の適用があります。

1 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

2 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

3 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

4 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

5 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者


推定相続人の廃除

遺留分を有する推定相続人が、
① 被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えたとき
② その他の著し非行があったとき
は、被相続人は、
Ⅰ その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することや、
Ⅱ 遺言で推定相続人を廃除する意思表示をすることができます。

Ⅱの場合は、遺言が効力を生じた後、遺言執行者が、家庭裁判所に廃除の請求をすることになります。

この制度は、相互に相続権を付与されている者の家族的共同生活関係が破壊される可能性がある場合、そのことを理由に遺留分減殺請求権を剥奪する制度です(民法891条~895条)。

遺留分のない推定相続人(兄弟姉妹等)については、遺言により、排除すればよいことから、この制度の対象外です。

上記のように推定相続人の廃除が家庭裁判所に請求されると、審判により、上記①②の事実関係の有無が争われることになります。

推定相続人の廃除が認められた場合も、その者は、その被相続人との関係で相続資格を失うことになります。

すなわち、相続開始前に死亡した場合と同じように、相続開始のときにもはや存在していないものとして取り扱われ、それに応じて相続人や相続分が確定されることになります。

なお、相続放棄の場合と異なり、欠格者が子供の場合は、代襲相続、再代襲相続が、欠格者が兄弟姉妹の場合は、代襲相続の適用があります。

相続の開始後に認知された者

相続の開始後に認知され、相続人となった者も、本来は遺産分割の合意に加わるべき者であり、その者が入らない遺産分割は無効となるはずですが、既に分割が完了している場合は、その分割の話し合いの蒸し返しを防ぐため、その者に対し、他の共同相続人に対し価格の支払い請求権を認めています。

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