東京家庭裁判所では、コロナの蔓延状況等から、従前から行われていた(遺産分割調停のみではなく一般調停を含めて)調停における電話会議の利用範囲を拡大したようです。
従来は、主として、当事者の居住地近くの裁判所又は、代理人事務所から参加する方式で使用されていました。しかし、今後は、本人の同一性確保及び録音防止等調停の非公開性の担保の必要性に配慮しつつ、当事者が自宅等から参加する方式も認めるようになったようです。
具体的には、裁判所の調停委員が、裁判所から電話会議システム又は、ハンズフリーホンで、当事者の自宅の電話又は、携帯電話に電話を掛け、調停を行うことになります。
しかし、ご注意いただきたいのは、調停はあくまで、非公開の手続であり、調停期日中は当事者本人及び手続代理人以外の第三者が通話場所に立ち入ることができないことです。
このため、電話の際は、個室に入っていただき、同席者又は在室者がいないような状態にしなければなりません。
また、録音は厳禁です。
調停における電話会議は、当事者の利便、接触の回避の観点からは大変優れたものですが、運用で行われる者のため、上記の禁止条項について違反する事例が生じた場合は、直ちに中止される可能性もあります。
当事者として、使用する場合もくれぐれも注意して使用ください。