父親、母親が相次いで亡くなりました。
両親の相続人は、一番上の姉の私、弟、妹の3人です。
遺産としては、賃貸しているアパート1棟だったことから、遺産分割では、私たち3人で、このアパートを3分の1ずつ、共有することになりました。
ただ、共有というのがどういうことで、どういうやり方で、賃貸等行うのか、共有の状態のまま、どこまで使用することができるのか。教えてください。
共有者、本件の場合であれば、相談者の3人のご兄弟は、共有物の全部について、その(共有)持分(本件の場合であれば3分の1ずつ)に応じた使用をすることができます(民法249条)。

言い換えれば、共有者それぞれが目的物(本件であればアパート一棟)に対し持分権という権利を持っています。
共有者は全員で1つの所有権を目的物に持っており、持分権は、所有権と性質や内容は同じで、ただ、共有されていることにより、その分量及び範囲に差異があることになります(大審院大正8年11月3日判決・民録25輯1944頁等)。
比喩としては、所有権というゴムまり3個を一つの物(本件の場合はあアパート一棟)に押し込んだ状態と言われることもあります。

勘違いされる方もいらっしゃいますが、共有の場合、共有者のそれぞれが、全部について持分権を有しているのであって、マンションのように、区分所有された各部屋を各の所有者が所有している状態のように具体的な所有の範囲が定められている場合とは異なります

このように、共有者は、共有物の全部について使用できることから、その使用については、共有者間の協議の上、多数決により、決することになります。

共有物の売却、破棄等の変更については、共有者全員の一致が必要です(民法251条)。

また、変更に至らない管理に関する事項は、各共有者の持ち分の価格に応じて、その過半数で決めることになります(民法252条)。
本件の場合で言えば、ご兄弟の内、お二人の賛成が必要です。

ただし、隣人がアパートの敷地にはみ出して建物を建てようとしたことに対し妨害排除の請求をする場合などの保存行為については、共有者の一人でも行うことができます(民法252条)

「共有不動産の使用・収益等の仕方」については、本HPの別の部分にも記載していますので、参考にしてください。
https://www.kawai-sozoku.com/kyoyusyueki/

共有関係を続けていると、相続により、どんどん共有者が増えることになり、ますます、管理が複雑になります
そこで、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができます(民法256条)。
このように、法律は、共有関係は、なるべく早く分割して、単独所有に移行する方がよいとの考えに立っています。
そのため、共有物を分割しない合意を行ってもその期間は5年間に制限されます(5年内の更新は可能です。)(民法256条1項但書、2項)。

とはいえ、分割の時期、内容等については、各共有者の利害関係が異なり、トラブルになりがちです。
トラブルが起きそうな場合や、分割をお考えの場合は、弁護士に相談されることを、おすすめします。