私は幼い頃、AとBの夫婦の養子になりました。
AとBには、CとDという子供がいました。
大きくなって、私は、Cと結婚しました。
AとBは亡くなり、Cも亡くなってしまいました
私とCの間には、子供がなく、相続人は、私とDだけです。Cには、自宅・預貯金等の遺産がありました。
私は、Cの配偶者であると共に、養子としてCの兄弟姉妹になりますが、私の相続分はどうなるのでしょうか。
相談者は、①配偶者としての相続人の資格(相続分)と、②兄弟姉妹としての相続人の資格(相続分)の両方の資格を有しています。
しかし、この場合は、配偶者としての相続分である4分の3しか相続できません(後記のとおり、この結論には学説等の異説もあります)。

本HPで前に、「祖父の養子となった孫は、実親が亡くなった場合、代襲相続人としても相続できるか」という記事において、祖父の養子となった孫は、①養子としての資格(相続分)と、②実父の息子として代襲相続人としての資格(相続分)の両方の資格で、二重に相続できることを記載しました。

本設問の場合、配偶者としての相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1です。そこで、相談者が前記①と②の二重の資格(相続分)で相続できるとすると8分の7を相続できることになります。

しかし、現在の通説は、相談者は、配偶者としての相続資格を有するのみであって、兄弟姉妹の立場で相続人となることはないとしています(昭和23年8月9日民法2371号回答-この戸籍先例は、旧法当時、長女と養子が婚姻し、新法施行後夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は配偶者としての相続分を取得し、兄弟姉妹としての相続分を取得しないとしました。)

では、祖父の養子となった孫の実親が亡くなった場合とどこが違うのでしょうか。

これについて、配偶者相続と血族相続は別系統のものだから、と説明されることもあります。配偶者は常に相続人となります。これに対し、その他の相続人は、①子供、②親、③兄弟姉妹の順に前の順位の相続人がいない場合相続することができます。配偶者相続と血族相続は別系統というのはこのことを言っているのだと思います。ただ、この理由だけで、配偶者の資格だけで相続するということになるかというと、必ずしもそうとも言えません。

そこで、学説には、二重の資格で相続できるとするものもあります。
しかし、現状では、基本的に、配偶者としての相続分しか相続できないとの結論で動くことになるでしょう